第2回
「見えるもの/見えないもの」
※ 終了いたしました。開催報告はこちら。
開催概要
日時:2023年11月29日(水) 14:00~15:30
参加:ライブ/ウェビナー 配信(参加申込 ※ 終了いたしました。)
プログラム
14:00 開会挨拶:篠田裕之 先生
お話①: 水野勝紀 先生
お話②: 石原広恵 先生
対話: 水野勝紀 先生 x 石原広恵 先生 (コーディネータ:福永真弓 先生)
次のワークショップに向けて:福永真弓 先生
15:30 終了予定
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
環境システム学専攻 准教授
<環境モデリング・計測工学・船舶海洋工学>
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
サステイナブル社会デザインセンター 准教授
<社会理論、共有資源、生態系サービス評>
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
副研究科長(研究倫理担当)
複雑理工学専攻 教授
<実世界情報システム・触覚インタラクション>
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
社会文化環境学専攻 准教授
<環境倫理・環境社会学>
見えないものを見えるようにすること。
それは、人間の世界の把握の仕方の基礎であり、科学のもっとも根本にある営みです。今やわたしたちは科学技術の力を借りることで、遙か宇宙の星の様子から、自分も気づかない感覚の幅まで知覚できるようになりました。社会が複雑化かつ情報化し、世界の隅々まで商品化が進展する現在においては、概念や価値など、かたちもなく見えないけれども、言葉によってかたちを与えられたものたちの重要性はますます高まり、それらの言語化も進んでいます。
かつてなく、「見えないものが見えるようになった社会」において、わたしたちは見えることとどう付き合えば良いのでしょうか。見えるようにするための人間の知覚や道具には限界がありますし、「見えるようにしたい」という人間の欲求の外側にあるものは、なかったことになってきました。また、科学的な可視化であっても、言語による可視化であっても、わたしたちの営為が権力や資本関係に埋め込まれている限り、その外側におかれたものは、やはり見えないもの、なかったものとしてみなされてしまいます。あるいは、その「見え方」が、非常に単純化されたり、人間が読み出せる(legible)ところのみの存在として対象を限定してしまうこともあります。さらには、ある一つのものの見方やフレーミングのみが、普遍的であるとか、妥当であるとみなされることによって、他の多元的なものも見えなくなってしまうこともあります。
今回は「見えないものを見えるようにする」ことに取り組んできたお二人の先生を招き、この問題について考えます。
水野勝紀先生は、モニタリング技術開発によって、水面下の地形や構成要素、複雑なメカニズムを可視化すること、人間がわかりやすく理解するために読み出せるデータをつくる、見せる形にすることを研究されています。
石原広恵先生は、人間活動の中でもっともわかりにくく表現しにくい価値について、エスノグラフィーや社会科学的な手法をもちいて明らかにし、表現し、資源管理の設計や政策提言に結びつける研究をされています。
見えないものに取り組んでこられたお二人は、奇しくも水域という共通項もお持ちです。お二人の議論から、見えないものを見えるようにする上での倫理の所在について考えてみたいと思います。
※ 当日実際に描かれたグラフィックレコーディングです。詳細はこちらのページ をご覧ください。
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録画公開:
ワークショップ当日の撮影配信動画をこちらで公開しています。:
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